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Senryu contest result

特撰
文明を一掃すると水走る
一葉
飯島章友
ゆうゆう夢工房らしく詩性川柳、ユーモア川柳、抽象川柳、時事川柳と、現代川柳の多様なスタイルが集まっていた。しかしスタイルによる選り好みは一切していない。 さて特選句。 壮大かつダイナミックな内容は圧巻。我々が営々と築いてきた文明が無に帰することは恐怖だが、どこか痛快で快感すらおぼえる。 下5を動詞で終わらせたのは実に上手い。一見すると物語風な内容であるがこれは紛れもない時事詠、社会詠だ。
準特撰
抜き去っていったのは僕の足跡
飯島章友
〈僕〉の中には他者としての自分がいる。過去の自分、別人格の自分、社会的立場の自分etc。その他者としての自分(の影)に追い抜かれた時、現在の〈僕〉の有り様はこの上なく自覚される。 上5からの句跨りと、中7を「僕」で止めそのまま助詞の「の」でつなげていくリズムは、読者に5・7・5の定型感覚があるからこそ逆に活きてくる。
準特撰
駅伝の汗に重たくなるたすき
村井広子
飯島章友
走者が走者にそしてまた走者にたすきをつなぐ駅伝。重たくなるのが物量としての汗だけでないのは言うまでもない。選ばれた言葉のひとつひとつにイメージの重層性がある。言葉選びこそ最高の修辞なのかもしれないと思わされる。
入選
ひた走るみのもんたから逃げるため
丸山 進
入選
接続詞僕より先に走り出す
入選
折り合いをつけに爬虫類館に走る
彰子
入選
走りますレールを引いてくだされば
山下和音
入選
圏外のその向こうまで走り出す
倉富洋子
入選
十五ページを走り満月はさみ込む
小野善江
入選
「走るのが早い子」とだけ覚えてる
玉江
入選
銀河鉄道私をこぼし走り去る
野原 萌
入選
走れなくなった踵の柔らかさ
田村ひろ子
入選
もっともっと走りたい八本の足
小野善江
入選
水面を走る石 夏空がかたむく
湊圭史
入選
練習の汗が並走してくれる

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