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Senryu contest result

特撰
この釘を好きなところに打ちなさい
湊圭史
丸山 進
釘を好きなところに打てとは、釘を渡した相手に、私を殺すもなぶるも好きなようにしなさい、と言っているように読める。あるいは相手に、好きな道を選んで進みなさいと諭しているようにも読める。そこには相手を絶対的に信じている究極の愛の形がある。句全体は抽象的でややゆるいが、その分読みの想像は膨らむ。それを発散させないよう「釘」というアイテムを効果的に使っている。
準特撰
濡れている河馬がふりむく 好きになる
小野善江
丸山 進
「濡れている河馬」からいろいろな比喩が浮かぶ。 河馬の顔も体形もけっしてスマートではない。今まで気に留めなかった鈍くさい男が、仕事の合間にひょいと汗びっしょりの顔をあげた時、ずしんと何か感じた。愛とは違う、恋とも違う、 安心して寄りかかれそうな感じかもしれない。 一字空けを含め一行の中に、よく計算されたドラマがある。
準特撰
好きなのは はみ出している部分です
村井広子
丸山 進
真面目で常識的なところより、脱線してちょっと危ないところに魅力を感じる気持ちは分かる。作者の日常が真面目そのものか、脱線の繰り返しかは定かでない。でも、作者は危ない冒険への願望を持っている、と読者に思わせるところが上手い。 人格と作品は別、と意識したときから表現の幅は生き生きと広がってくる。
入選
おかわりは無い ほどほどに好きでいる
苑子
入選
好きと言った唇きょうは萎んでる
瑞樹くらら
入選
ゼラチンが揺れます溶けます好きです
飯島章友
入選
あかさたなはまや、まで来て好きと知る
飯島章友
入選
仇のその仇と知って好きになる
maintenance1
入選
とりあえず好きと言ったら戸が開いた
須川柊子
入選
好きという語彙を持たないシャイな人
一葉
入選
人間が好きで穴から首を出す
苑子
入選
地下茎は あなたへあなたへと伸びる
ええ一
入選
死に場所を決めてわが街好きになる
田中 女里
入選
午前零時好きだったのはそこまでで
石田 穗實
入選
好感度アップ乳房がとんでくる
小野善江

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