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Senryu contest result

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容赦なく私を洗う蝉時雨
苑子
山口一雄
身も心も洗われているような気がします。
ええ一
この夏の出来事を、蝉はきっと見ていたのでしょう。
山下和音
石原てるみ
浄化の洗礼・洗うに魅かれる。
寺岡祐輔
「容赦なく」という形容と蝉時雨がぴったり。
倉富洋子
あの蝉時雨って、ほんとうに容赦なく圧倒的ですが、「音」に洗われる自分、というみつけがおもしろいと思いました。
野原 萌
うるさい、うるさい。そう思いつついつかそんな邪心は洗われている。蝉の鳴くひたすらさは凄いものがありますね。中七に作者の個性を感じます
野上怜
蝉時雨に洗われてきっと美しくなられたことでしょう。
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黙祷の途中で蝉が息絶える
ええ一
若山かん菜
式典の最中、沢山の人に見送ってもらえて幸せでした
山下和音
坪井篤子
言い得てる。本当に蝉って力尽きたように突然落下しますよね。
maintenance2
万貴
川畑めぐむこ
終戦記念日を思いました。
丸山 進
祈りの中、天寿を全うした蝉。一分間の厳粛なドラマです。
飯島章友
「ヒグラシが奏でる夏の愛国心」と迷った。リアルで呼吸している私がいろいろ考えてしまうのはヒグラシの句なのだが、川柳作句者の私の方はこの句を選んだ。 この句はかの時代と現在世代に関わる句と解釈した。 この句とは別に思う事がある。戦後世代があの時代を詠むのは困難だし大抵は浅くなる。だけれど、戦後世代とて過去の延長に生き、かの時代の影響下に喜び、楽しみ、悩み、苦しんでいると、自己存在を考えるとき思う。
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あの人もただひと夏の蝉だった
瑞樹くらら
備瀬ちゃくし
また来年があるさ!
鶴見佳子
ぼっと燃え上がって、しゅっと消える。そんな夏の恋も・・ありましたな。
山口一雄
蝉の声に過去の思い出が重なります。
森下綾子
哀しいね
寺岡祐輔
秋風が立てば過去のものになるひと夏の出会い。
小野善江
狂おしく鳴いた夏・・。
清子
わたしにもひと夏だけの彼がいました。「あの人」を思い出してしまった切ない句ですね。
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おわかれのスイッチ押せば蝉時雨
倉富洋子
ええ一
スイッチがおもしろい。人はいろんな所にスイッチを持っている筈だから・・・。
蓮子
あの言葉が、耳に着いて離れない。
めざし庵
ふと我に返って、哀しみが押し寄せてくる。
寺岡祐輔
別れることを決めた胸のざわめき。
須川柊子
爆弾の中身は、蝉時雨だったのですね。
野原 萌
SFぽくって面白い。本当は決断したのでやっと、蝉の声が聞こえたんですよね。57の表示が深刻さを感じさせなくて好きです。
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あっけらかんと蝉は死んでる 雄だろう
野原 萌
森下綾子
雄だろうが妙におかしい
湊圭史
ホモサピエンスの「雄」としては複雑な気もしますが(笑)、「あっけらかんと」死ねるのは悪くない気もしますね。作者が男性か女性かにも興味がわきます。
田中 女里
雄なのかなあ
そう きっと雄。
彰子
雌の私は上から目線で甚振ります・・・多分。
坪井篤子
生き抜いた雄蝉の屍の見事な勇姿。雄だろうが笑える。
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わたくしも蝉も殻脱ぐ夏の森
清子
殻を脱ぐまでに時間が掛かるんです。
須川柊子
思いっきり楽しみましょう。
神田良子
蝉に便乗して私も、幾重にも着ている殻を脱ぎたい。
流郷貞子
一肌脱いで明日のために頑張ろう
羽田義則
夏の森では本当の私をさらけ出す事ができる。
順子
さあ、これからだ
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蝉時雨ラストダンスが終わらない
街中 悠
イクロウ
なるほど。
そう花
何時までも続く炎天下、蝉時雨を美しく詠んでいる。
きっぱりと未練は捨てましょう。
蓮子
このままずーっと踊りたい
神田良子
命尽きるまで踊り続けてる蝉。
苑子
洒落ています
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あの日から蝉が一匹同居する
須川柊子
植村佳子
さぞや お賑やかなことと お察し 致します。
蓮子
かわいい蝉ですか?
坪井篤子
あの日からのあのが気にはなるが、やはりここはあの日からだろう。ざわざわ感を上手く表現している。
maintenance2
長くはありませんから大事にしてください。
野上怜
わたくしも、そういう思いを感じています。
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存分に鳴いた蝉から落ちてゆく
寺岡祐輔
酒井啓三
天寿全う。
中嶋安子
儚いセミの一生ですから、、、。
 廣子
何事も一生懸命やりつくせば、納得できるものを掴むことが出来るのだろう。完全燃焼出来た蝉がうらやましいる
黒川利一
命を全うした。
苑子
自ら落ちる蝉に心残りはありません
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ひぐらしに連れられていく秋の裏
備瀬ちゃくし
秋の裏へ僕も行きたい!
秋の裏には何を見つけられるのでしょうか。
ええ一
「秋の裏」につい立ち止りました。
苑子
秋の裏が神秘的
一葉
秋の裏が川柳的かな
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閃光へ「あっ」と叫んだ蝉の顔
ええ一
じゅんいち
人も、アリも、ド-ムも・・・そして閃光は今もどこかを走っている
酒井啓三
あの閃光にどれほどの蝉が終末を迎えたでしょう。
maintenance2
瞬間の映像が浮かんでくる
川畑めぐむこ
広島の原爆ドームを思い浮かべました。
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枝離れそのまま風になった蝉
大西俊和
田村ひろ子
そうあって欲しいと願う祈りの一句
黒川利一
広い空を流れてく。
神田良子
理想の終り方だと思う。
羽田義則
蝉は死と共に風になった。
★ ★ ★ ★
蝉の殻埋めて少女の夏の墓
田村ひろ子
六歳の孫娘が蝉の殻を集めて埋め、花びらで覆っておりました。
街中 悠
短い命の蝉と短い命だった少女の対比がよく効いて夏の墓を強調している。
公子
少女のか細い・・・うなじが見えます
真崎翔龍
恋を知り失恋も知ったのでしょうね
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蝉落ちる もう良いのかい良いのかい
玉江
村井広子
やさしい眼差し それともご自分に
鶴見佳子
孫を見るような、やさしい目ですね。
田中 女里
作者のやさしさを思う
小野善江
もういいんでしょう。
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空蝉の背より抜け出す青い空
そう花
夏が逝く、初秋の爽やかな青空が見える。
黒川利一
夢にまで見た青い空。さあー飛んでゆけ。
井蛙
青い空がいい。
瑞樹くらら
深い夏空の青は空蝉からひろがっているのでしょうか
★ ★ ★ ★
踏ん張った形のままの蝉の殻
平井美智子
植村佳子
頑張って 生きたんだ 蝉よ!
川畑めぐむこ
空蝉をしっかり、表現されていると思いました。
瑞樹くらら
生きるとは厳しいことです
公子
羽化する時の緊張が・・・
★ ★ ★
蝉しぐれ不協和音を聞き分けろ
イクロウ
村井広子
不協和音は わたしの中の蝉
植村佳子
ふ揃いな 大合唱。
湊圭史
じんじんと降りそそぐ蝉の声に混じる不協和音・・・。「聞き分けろ」の命令形につよさがある句ですね。この場合の「不協和音」は即悪いものではなく、聞き分けることでポジティヴな可能性につながるものであるように読みました。
★ ★ ★
みんみんとひたすら生きている命
そう花
中嶋安子
ひたすら生きる、、が良いですね。
丹原伸枝
切ないね…。でも蝉は精一杯生きて後悔してないと思う…。
井蛙
鳴きながらしっかりと生きている蝉への賛歌。
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カナカナとひぐらし 夢が乾きゆく
小野善江
秋とは名ばかり、この暑さですから。
一葉
一葉
倉富洋子
このひぐらし、「蜩」とも「日暮らし」とも読めます。むしろ、「夢が乾きゆく」には、後者の方がぴったり。蝉時雨を聴きながらその日その日を暮らしていくうちに、いつしか風化してゆく夢。「ひぐらし」のかな書きが活きた一句だと思います。
★ ★
この星で悔いは残さぬ蝉時雨
能津健
 廣子
あの真剣に鳴く姿は、自分を浄化しているのかも知れない。次の世は幸せにな。
大西俊和
そんな一途な蝉時雨。
★ ★
爆音か いえ八月の蝉の声
飯島章友
備瀬ちゃくし
忘れられない熱い辛い想いがよぎる!
丸山 進
「戦争と平和」の詩ですね。
★ ★
戦場の兵士か蝉の死は路傍
イクロウ
そんな感じです。
街中 悠
戦場の兵士の苛酷な夏を思う。
★ ★
父帰る寡黙な蝉を籠に飼い
倉富洋子
羽田義則
父は一生を優しく、寡黙に過ごしました。
飯島章友
蝉という言葉は日本人に「死者」を思い起こさせる。そして「英霊」「戦争世代」をも・・・。 詩文学では、イメージが特定されがちな言葉を用いる場合、既視感(デジャヴュー)を避け、言葉を再構築して使う事が多い。 だが先人が積み上げてきた或る言葉のイメージ力は有効に使ってみたい気もする。 今月選んだ句は、既定イメージを用いつつもそれに凭れず、深いところへ繋がっていると感じた作品群だ。見当違いもあろうが・・。
★ ★
最後まで鳴いてる蝉に「努力賞」
鶴見佳子
私も「努力賞」。誰もくれませんが。
一葉
努力賞がいいですね!
★ ★
あお向けの蝉赤ランプ点滅中
山下和音
若山かん菜
蝉はウルトラマンより長生きできてよかった
気!注入!
★ ★
懺悔する形残して蝉の殻
山口一雄
山下和音
 廣子
あんなにも辛い一生なのに、まだ何か懺悔しなければならない罪を何故蝉には与えられているのだろう。
★ ★
泣いて泣いてあの日もやはり蝉しぐれ
流郷貞子
真崎翔龍
泣いて泣いて この繰り返しが生きている
清子
蝉しぐれの「あの日」にどんな涙を流したのでしょうか…。少しの涙でおさまるはずではなかったのでは…。
★ ★
蝉が鳴く今年限りと覚悟する
蓮子
石原てるみ
潔いよい決意。
流郷貞子
そんな淋しいこと。それは神様が決めること。
★ ★
四方から蝉に急かされ重い腰
石原てるみ
若山かん菜
夏が来た!夏が来た!夏が来た!夏を満喫しなきゃ
公子
その通りです
★ ★
弱虫がまた蝉殻にもどってる
小野善江
中嶋安子
なんだか、ホッとする場所なんでしょうかねぇ、、
弱気なときこそ一歩前に出てって!
★ ★
蝉の殻やら魚の骨やらわからない
彰子
現世の解らない部分を愛します。
めざし庵
どちらも捨てられているのに、違いはないのだが、なんだか意味不明のところがすてきだ。
ひたむきに鳴きました痛れました 蝉
松原房子
田中 女里
けなげな蝉の一生
逢いたさを責められているカナカナと
石原てるみ
倉富洋子
亡くなってしまったひと、疎遠になってしまったひと、すぐには逢えないひと。カナカナという単調で執拗な声に包まれていると、確かに責められている気がします。どうしても逢いたいと思ってしまう気持ちや、いま逢えない事情、逢えるときに逢いにいかなかったことなんかを。
国道を引きずってゆく蝉の翅
湊圭史
飯島章友
エンタテインメントでありながら人間を穿った良質な邦画を観たような読後感だ。 なぜ国道なのか。なぜ引き摺っているのか。なぜ蝉の翅のか。それを考えていったところ全く無駄がない言葉の選択だと思った。 日本人の思想を「縮み思想」といった外国の思想家がいたと思う。最小まで削ぎ落して世界全体・宇宙全体を表現するということだ。ギリギリまで切り込んだ17音字をみると瞠目する。
鳴き終えた蝉の涙か雨が降る
一葉
流郷貞子
一本の大木を、離れた所で蝉の声を聞いていた。その木のあちらこちらから蝉の放尿と思しき物が、けっこう雨のように落ちる様をつい先日見た。
絵手紙の蝉初恋を辿らせる
森下綾子
大西俊和
一通の絵手紙から始まる初恋の夏の追想。
延命を求めぬ蝉の潔さ
若山かん菜
鶴見佳子
いざとなると、うじうじする人間の多いこと。
暗やみで蝉いっぴきが鳴いている
湊圭史
小野善江
鳴きやまぬ蝉がいます。
蝉の羽のようなドレスで嫁に行く
順子
清子
確かにウエディングドレスって蝉の羽のようですよね。発想が出色です。お幸せに!
空蝉を手のひらにのせ人をまつ
瑞樹くらら
恋人を待ってるの
まだ夢を追って追われて蝉時雨
能津健
街中 悠
夢に追われればその夢は本物でしょう。
ほぼ一生食べて寝ているだけの蝉
まさと
まるで私のようで~
アンネの木へ挽歌を送る蝉しぐれ
maintenance2
順子
私も一緒に歌います
絵手紙の新種の蝉は器量よし
比呂子
じゅんいち
柔らかい想像力が世界を拡げる、素敵だな
空蝉の目は大空を追い続け
村井広子
酒井啓三
哀れを誘います。
蝉しぐれオールドブラックジョーが呼ぶ
丸山 進
イクロウ
うわッ! なつかしい。
淡々と問い深くなる蝉の声
 廣子
須川柊子
すみません。まだ迷っています。
男女とは何だ しきりに蝉しぐれ
まさと
森下綾子
哲学的
母と立つ蝉の鳴くバス停留所
黒川利一
真崎翔龍
バスを待つ間にラムネを買ってくれたあのバス停 いったい、どこだったのだろう。
アスファルト蝉の葬礼風まかせ
公子
村井広子
カナカナの挽歌が聞こえます。
はかなさを思えど憎しきょうの蝉
村井広子
石原てるみ
時にしてある苛立ち。
かなかなが鳴く 涙流した夏もいく
野原 萌
丹原伸枝
かなかなの声と一緒に涙した夏はもう逝きました。きっと秋には幸せが訪れますよ。
故郷を唄い終わった蝉の殻
比呂子
大西俊和
故郷には故郷の蝉。
淋しげなブランコ揺らす蝉の声
神田良子
じゅんいち
真夏の昼下がり、見慣れた空間も歪んで見える
ひとが来た玄関開けるセミの声
めざし庵
彰子
勧誘の電話よリ、セミのビブラートが好み。
今すぐに逢いたいと鳴く秋の蝉
平井美智子
丹原伸枝
素直に逢いに来てと言える蝉が羨ましいー!
生きよとて天から地から蝉が鳴く
玉江
めざし庵
重い一句だが、作者にはそう聞こえるのだろう。
鳴きやまぬ もう後のないアブラゼミ
坪井篤子
順子
今を精一杯に生きようぜ、お互いに。
光食べころころ闇に帰る蝉
大西俊和
湊圭史
「ころころ」という擬態語の軽さと、「光」と「闇」のテーマの重さの対照が効いています。生まれ変わり死に変わり、でつづいてゆく小動物の世界。ニンゲンも対して変わらないのか・・・。
法師蝉 小節まわしてすみません
うらら
丸山 進
いえ結構な小節で気が休まります。
言い訳はしないと決めて蝉しぐれ
野上怜
井蛙
蝉しぐれの中の決断。しっかり蝉しぐれを聞いている。
絵日記に最期の勇姿アブラゼミ
若山かん菜
常習でした 絵日記のまとめ描き。
終戦のあの日も蝉は鳴いていた
井蛙
山口一雄
蝉の声に蘇る戦争体験。
蝉時雨 明日のことは考えぬ
田村ひろ子
そう花
ひたすらに只ひたすらに鳴き続ける蝉をシンプルに 纏められた。
叶わぬと覚って蝉になる私
野上怜
蝉のように、ただ愛のため焦がれるように鳴きつくす、潔い生き方には叶いません。わたしも蝉になりたい。
旬を過ぎ愛しさ抱いた蝉時雨
野原 萌
蝉時雨を心で聴いている作者。「愛しい」の字が切なく沁み入る。

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