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Senryu contest result

特撰
憎しみから一歩も出ずに枯れている
小野善江
野原 萌
何と哀しい「憎む」であろう。 震える肩の後姿が浮かぶ。作者の前に横たわる物は何なのか?また誰なのか? 「一歩も出ずに」に、枯れているものへの、作者の痛みと哀しみがしんしんと伝わってくる。
準特撰
ひと言で心に鍵をかけられる
備瀬ちゃくし
野原 萌
人に傷つけられるより 人を傷つけた時の心の痛みを思う。 私のひと言に、その人は私への心を閉ざし、やっと開きかけた自分にも鍵をかけてしまったとしたら・・。 嗚呼 どうぞ私を憎んで下さい!! 憎んで、憎んで・・そしたら少し、少しわたし楽になるのです。 そんな叫びの聞こえそうな「憎む」。
準特撰
憎めないマトリョーシカのような夫
酒井啓三
野原 萌
脱いでも脱いでも同じ顔して、薄ぼんやりと笑っているマトリョーシカ。 コンチクショウ、コンチクショウと脱いで行く。同じ失敗を繰り返しながらやっぱり笑っているアンタ。小さくなっても悪びれず、どんな事があってもやっぱり笑って其処にいてくれるのは、私の愛したアンタ。 そしてそれは私でもあったと気付く。・・かなわんなぁ。マイリマシタ。 ホロり泣き笑いの「憎む」である。
入選
憎しみの連鎖は切った寒椿
レイ子
入選
葉芽花芽 憎んでみても風は春
丹原伸枝
入選
憎ければ憎む きれいごとは言わぬ
幸生
入選
憎むのはよそうもうすぐ冬が来る
神田良子
入選
憎悪とは少し食指が動くこと
入選
獏が住む愛と憎悪の真ん中に
飯島章友
入選
憎しみを剥ぐ 僕とよく似た顔がでる
黒川利一
入選
憎んでも慕情ひとつが捨てきれぬ
丹原伸枝
入選
憎むべきその人の手は温かった
松尾冬彦
入選
原爆原発二度も被爆をさせている
そう花
入選
レタス剥ぐ指を憎んだことがある
入選
憎んだら負けだ負けだと青い空
鎌田やす子

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