現代川柳 ゆうゆう夢工房
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2011年の句会
2011年11月の句会
Senryu contest result
特撰
憎しみから一歩も出ずに枯れている
小野善江
野原 萌
何と哀しい「憎む」であろう。 震える肩の後姿が浮かぶ。作者の前に横たわる物は何なのか?また誰なのか? 「一歩も出ずに」に、枯れているものへの、作者の痛みと哀しみがしんしんと伝わってくる。
準特撰
ひと言で心に鍵をかけられる
備瀬ちゃくし
野原 萌
人に傷つけられるより 人を傷つけた時の心の痛みを思う。 私のひと言に、その人は私への心を閉ざし、やっと開きかけた自分にも鍵をかけてしまったとしたら・・。 嗚呼 どうぞ私を憎んで下さい!! 憎んで、憎んで・・そしたら少し、少しわたし楽になるのです。 そんな叫びの聞こえそうな「憎む」。
準特撰
憎めないマトリョーシカのような夫
酒井啓三
野原 萌
脱いでも脱いでも同じ顔して、薄ぼんやりと笑っているマトリョーシカ。 コンチクショウ、コンチクショウと脱いで行く。同じ失敗を繰り返しながらやっぱり笑っているアンタ。小さくなっても悪びれず、どんな事があってもやっぱり笑って其処にいてくれるのは、私の愛したアンタ。 そしてそれは私でもあったと気付く。・・かなわんなぁ。マイリマシタ。 ホロり泣き笑いの「憎む」である。
入選
憎しみの連鎖は切った寒椿
レイ子
入選
葉芽花芽 憎んでみても風は春
丹原伸枝
入選
憎ければ憎む きれいごとは言わぬ
幸生
入選
憎むのはよそうもうすぐ冬が来る
神田良子
入選
憎悪とは少し食指が動くこと
弘
入選
獏が住む愛と憎悪の真ん中に
飯島章友
入選
憎しみを剥ぐ 僕とよく似た顔がでる
黒川利一
入選
憎んでも慕情ひとつが捨てきれぬ
丹原伸枝
入選
憎むべきその人の手は温かった
松尾冬彦
入選
原爆原発二度も被爆をさせている
そう花
入選
レタス剥ぐ指を憎んだことがある
怜
入選
憎んだら負けだ負けだと青い空
鎌田やす子
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