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Senryu contest result

特撰
七月の洗いざらしの素手素足
小野善江
つぐみ
ひなたの匂い、風の匂いのする一句。 しちがつ、ざらし、素手素足、S音のリフレインが耳にここちよい。 洗いざらしの木綿のように素朴な少女像が浮かび、また素手素足の響きに、地に足のついた働くひとの力強さ、健康的なエロスさえも感じます。
準特撰
朝顔の浴衣を洗う人さらい
黒川利一
つぐみ
古川柳の趣のある面白さ。 朝顔の浴衣を洗うおんなのつつましい背中。 洗っているものが、さらわれた子供の浴衣か、本人のものかで捉え方が微妙に違ってくる。 いずれにしても、その風情ある姿とは真逆の「人さらい」という衝撃的な言葉にぎょっとさせられた。 浴衣を絞るゆびのしろさ、冷たさ。 ミステリアスな展開に、昔読んだ「八日目の蝉」が、頭をよぎった。
準特撰
無洗米 だんだんストレスが溜まる
ええ一
つぐみ
まずざっと洗い流してから、ぎゅっぎゅっと米を研ぐ。 ほとばしる水を手に受け、研ぎ汁が澄んでくるまで何度も水を代える。 便利さと引き換えに、それらの喜びを失ってしまった無洗米。 ちいさなストレスぐらいは水に流せた筈なのに、しずかに溜まってゆく淀み。 暮らしのなかの、さりげない視点に頷かされた実感句。
入選
ハチガツヲアラエバアフレデルキララ
左岸
入選
魂がそうやすやすと洗えるか
左岸
入選
洗剤の匂いに なったラベンダー
安藤なみ
入選
洗濯機にこそっと入ってみた
湊圭史
入選
日めくりの朝はいつでも洗いたて
苑子
入選
大空を洗うと海になるんだね
入選
家中の下駄洗ってた亡母の晴れ
玉江
入選
シャボン玉風を洗っているのです
公子
入選
まとわりついた髪を洗いに来た岸辺
坪井篤子
入選
洗っても洗ってもアナログ臭になる
うらら
入選
指先を洗う大きな独りごと
湊圭史
入選
丁寧に折れないように角洗う
若山かん菜

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