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Senryu contest result

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八月の孤独を虫ピンでとめる
黒川利一
原爆忌、盂蘭盆、供養の盆踊り、終戦など八月は吾と吾とつながる者たちについて一人になって考える月である。「八月の孤独」このフレーズに立ち止まった。
飯島章友
大胆な9・8のリズム
つぐみ
わたしは標本箱の蝶。空の記憶はひらひら消えて・・。
石原てるみ
秋までの孤独。
ええ一
今でも、錆びた虫ピンが刺さったままの背中です。
苑子
八月の孤独って冬より寒そうです
小野善江
虫ピンがいいですね
矢島高綱
九月があるさ口ずさむオレ
酒井啓三
「孤独を虫ピンでとめる」発想がユニーク。
大西俊和
虫ピンでとめられて乾いていく孤独
神田良子
八月の孤独。その月を虫ピンでとめる。 言葉の羅列に圧倒された。
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カナカナと身辺整理急かされる
鎌田やす子
左岸
蜩のあの鳴き声は、そうですか、身辺整理ですか。言われてみれば確かに。実を言えば私、身辺整理、時折思い出したようにしてしまうんですよ。その後決まっていつ死んでもいいような気になってしまうんです。物はいいんですよ、すぐ 片付く。でも心の中はそうはいかないんです。宙ぶらりんで終わった恋とか。傷つけてしまったひとたちとか。あら、雨。窓を閉めましょうか。もう夏も終わりですね、本当に、あっという間‥‥‥。
ナカナカ難しい身辺整理。
つぐみ
ひぐらしカナカナ、もうすぐ夏も終わります。
川畑めぐむこ
気持ちがよーくわかります。
森下綾子
共感です
神田良子
明日があると思いながら、身辺整理がなかなかできない。 蝉の潔い生き方を見習わねば。
須川柊子
急がなくては、日が沈んでしまいます。
真崎翔龍
O
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鬼やんま視てきたことを言いなさい
つぐみ
苑子
言いなさいがいいです
黒川利一
喋ってよーござんすか?
私は鬼やんまにも、なかなか遇えない。
ははーっ。それでは申し述べます。
帆波
鬼やんまに命令できる相手は凄い、と思う。で、この鬼やんまはおそらくオスだと思う。回るもの、光るもの、羽ばたくもの、何にでも反応する鬼やんまのオス。そして鬼やんまのメスはオスよりも体が大きいのである。
野原 萌
エッ!! 大きな目をくるくる廻して 鬼やんまが困っている
真崎翔龍
湊圭史
俳句なら「鬼やんま」で切れて、以下とは分けて読むかもしれませんが、これは「鬼やんま」に話しかけていると読んだほうが面白いですね。名前に「鬼」が入っているので、異界のものであり、かつ、人間にもつながっている生き物な気がします。それに「言いなさい」と命令調で語りかけている。「鬼やんま」が「視てきたもの」(見、ではないんですね)は怖ろしい情景、人間が見るべきではない光景なのではないかと、ふと思いました。
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後悔の虫一匹が眠らない
村井広子
蓮子
いつまでも尾をひきますね。
平井美智子
眠れないまま悔いが身を責めます。
石原てるみ
悔恨の長い夜。
川畑めぐむこ
後悔の虫がぴったり。
うらら
したたかな虫一匹は私です。
睦悟朗
取り返せないことは重々わかっているのですが
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一匹の虫です四人家族です
苑子
平井美智子
四人家族の少し外れた(?)秋のハーモニーを聴いてみたいです。
ええ一
幸せにやってるんですよ、これで!
湊圭史
前半と後半がどうつながるか、悩ましい句ではありますが…。「一匹の虫」が「四人家族」の住む家に出てきた、と通常ありうる光景を想像することもできますが、それにしては奇妙な印象が残ります。「一匹の虫」と「四人家族」が等価値のものとして提示されていて、お互いにメタファー(隠喩)になることも拒否している。虫と人間の区別といった一般的な価値観がかるく宙吊りされたところに面白みがある句ではないでしょうか。
寺岡祐輔
虫の擬人化としての「四人家族」がいい。 さりげなく言い得ている。
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ふんわりとリボンをほどくカブト虫
日和
苑子
女の子のカブト虫、可愛い!
カブト虫にリボンがいいですね。
小野善江
リボンとカブト虫の組み合わせのおもしろさ
田村ひろ子
カブト虫の恋
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蟻と目が合った働けと言われた
幸生
村井広子
ハイ。だらだらしております。
飯島章友
蟻が正しい
月見坂 蘭
思わず笑った(失礼<m(__)m>)健康でなによりです
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油虫言いたいこともあるだろう
寺岡祐輔
村井広子
私だってありますもの。
蓮子
そうだよね。
松尾冬彦
わたしは柿の種ではありません。
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蓑虫が揺れると月が丸くなる
黒川利一
月が丸くなるのを信じます。ここで質問。最近、蓑虫を見なくなったのはその霊力が失せたためですか?
海月
メルヘンですね。美しい光景が浮かびます。
彰子
キーンと引き締まった青い空気をイメージします。 又、月と蓑虫がよく響き合っています。
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ザムザ氏のソファに座ってみませんか
湊圭史
左岸
ありがとうございます。でも。遠慮しておきます。いったん座ったが最後、口から糸を吐いて変身してしまいそうです。それは考え過ぎですって?座り心地抜群ですって?う~~ん。悩みます。いいことを考えました、あなたが先に座ってみてください。何も起こらなかったら、喜んで座らせていただきます。さあ、お座りになって。さあ、どうぞどうぞ。嫌?何故ですか?わけを教えてください。あっ、逃げるの?卑怯者っ。待ちなさいっ!!
日和
この虫には気が付きませんでした。 ベッドで休みたかったでしょうね。
寺岡祐輔
毒虫の隣に座ってみたいようなみたくないような。 もう一つのカフカの句よりはこちらが好きです。
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ゼンマイがもう切れそうなアブラゼミ
帆波
山口一雄
腹を見せて玄関先に転がっていたアブラゼミ。もう死んでいるのかと指で突いたら・・・。
矢島高綱
ちょっと待ってね巻き終わるまで
小林祥司
短命はセミだけにしてね。野田どしょうサマ。
★ ★
ポケットの大事な虫が動き出す
須川柊子
飯島章友
「大事な虫」と欲をぼかした妙
ポッケトマネーと言うからお金でしょうね。 大金か?小金かな?誰に貢ぐのでしょう。 ああ、仕事帰りの慰め、パチンコでしたか。
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いいんだよ みんな弱虫泣き虫よ
石原てるみ
光明
優しさに、母を想いました ありがとう。
丹原伸枝
そうなんだー。良かった!弱虫は私だけではなかったのね!
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初盆や蚊のなすがまま合掌す
石原てるみ
森下綾子
初盆は緊張します
野原 萌
ピシャリと打つ手を思わず止めてしまう。魂を思う初盆である。
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白黒は付けぬ玉虫色が好い
そう花
中嶋安子
白黒、はっきり決められない事の方が多いです。
須川柊子
それはそれでいいんじゃないのかな。
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蓑虫の妻も家出を決意する
村井広子
山口一雄
これは大変な決意だ。
この家で一生を終えるつもりで我慢しましたが、今回は 想定外です。蓑から飛び出して生きて行きます。面白いです。
★ ★
ふるさとを偲ぶ蛍も派遣組
公子
真崎翔龍
じゅんいち
虫の世も? No,no,人災です
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お手向かいします小さな虫だけど
真崎翔龍
丹原伸枝
何だか健気で拍手を送りたい!
寺岡祐輔
一寸の虫にも五分の魂。 格言のような川柳は往々にしてつまらないが、川柳のような格言は面白い。
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腹の虫なだめる酒の2、3杯
備瀬ちゃくし
流郷貞子
と言っているうちに 度が過ぎる
小林祥司
分かる分かるその気持ち。「飲むほどにますます怒る腹の虫」 ほどほどに。
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地中では思慮深かった虫である
左岸
野原 萌
なりふり構わず地上の恋を全うするのが仕事。蝉ならばである。恋であれ、権力であれ、想像が広がりおかしくて、切なくもある。
うらら
ついうれしくなって羽目をはずしてしまうのですね。
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虫と虫ならば番いになれたのに
飯島章友
あいにく花と虫に生まれました。
帆波
番の組み合わせを数えた。虫と虫、人と虫、人と人。この中で比較的番になれやすいのは「虫と虫」だな・・
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コオロギの初鳴き 友はもういない
黒川利一
平井美智子
庭の隅にお友達が還ってきたのでしょうか。
酒井啓三
淋しさが感じられる句。
★ ★
虫が鳴くもう約束は期限切れ
安藤なみ
睦悟朗
真夏の熱に浮かされて約束しただけなの
松尾冬彦
ひと夏の恋でした。
★ ★
ニッポンに欲しい議員の虫下し
帆波
流郷貞子
同感です
今こそ、私利私欲、派閥捨てた政治家を望みます。 強烈に虫を下した、新総理大臣誕生を!
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蝶になるまでが我慢のしどころだ
睦悟朗
丹原伸枝
本当に!辛いのもあと少し!華麗な蝶になれる日まで頑張ってね!
松尾冬彦
我慢ばかりで蝶になれない自分わたし。
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ころころと知覚過敏の団子虫
ええ一
彰子
団子虫がキュッと丸まるのは・・・フムフム知覚過敏だったのかと。団子虫の在り様に、目を凝らしている作者の感性が好ましい。
酒井啓三
「知覚過敏」がおもしろい。
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頑なな心をほどく虫しぐれ
丹原伸枝
中嶋安子
虫しぐれが効いていますね。
大西俊和
虫しぐれの奥にある秋の静けさ
若者の未来が重いカブトムシ
川畑めぐむこ
村井広子
大人の責任を思います。
血を分けた兄弟だけど蚊はつぶす
若山かん菜
うらら
涙をのんでつぶさなければならないこともあります。たしかに。
泣き虫になってしまった茜雲
流郷貞子
わだかまりがあって心が冴えず・・・。 先日 私もひとり久し振りに声をあげて泣きました。
お盆には虫干ししたい恋がある
光明
じゅんいち
彼岸にて、悪い虫が心配で・・・・
光る虫つかまえて愛の始まり
寺岡祐輔
湊圭史
「光る虫」は蛍のことでしょうか、和歌以来の「蛍=あくがれいずる魂」の連想にのっとっているのでしょうね。蛍を「光る虫」というのはちょっと回りくどい気もしますが、「愛の始まり」というのは素直なようでいて、伝統からしても意外な展開かと思います。蛍をつかまえたのをきっかけに親密になった、と現実にありうる展開も描けますが、もっと仄かな「魂」の交感として読みたいところ。独特のリズムもあって印象的な句でした。
毛虫から蝶へ明日が弾み出す
備瀬ちゃくし
神田良子
毛虫が美しい蝶に変身。そんな明日が約束されている虫の世界は素晴らしい。
水面の天空スイスイ水澄まし
井蛙
海月
さわやかですね。気持ちがいいです。
虫の音に誘われて書く長い文
松尾冬彦
田村ひろ子
初秋の気配にふと、手紙を書き始める
空の青知らずともいいアリはアリ
野原 萌
石原てるみ
一途な蟻。
簡単に捕らえて足のないバッタ
山口一雄
つぐみ
バッタの足は誰にちぎられたのだろう。 「足のないバッタ」が痛切。
生れ落ちコンクリートを這う毛虫
山口一雄
日和
哀れです。行き着くところに草むらがあればいいのですが
墓石に止まった蝶に祖母の影
川畑めぐむこ
蝶はひょっとして?
カフカかもしれない虫を殺せない
海月
小野善江
カフカのおもしろさ
成り行きでごきぶりホイホイが売れる
ええ一
須川柊子
どんな成り行きなのか、聞いてみたいです。
ゆらゆらと蓑虫います私です
真崎翔龍
森下綾子
想像するとおもしろいね
逃げなさい蜘蛛よさっさと消えなさい
幸生
月見坂 蘭
逃げなさいと言いながらほんとは怖い
過去はもう忘れています揚げ羽蝶
そう花
光明
過去は忘れてしまって、いいんですね? 未来に向かって、進んでいこう。
虫の声聞いて独りのバスルーム
流郷貞子
海月
とても静かで。好きです。
揚羽蝶きれいな嘘をついている
酒井啓三
睦悟朗
永遠に見えるがやはり幻
黒揚羽騙されたまま夏終る
酒井啓三
残念!
人間っていいなと思うとんぼの眼
うらら
大西俊和
ほのぼのとする句ですね
だんご虫ころりころりと死んだ振り
能津 健
蓮子
まねしてみようか?
プロポーズ蝉が鳴きだし邪魔をする
矢島高綱
小林祥司
ささやきもステキです。いや、言葉はいらないわ。
ダンゴ虫しっかりのびてからコロリ
田村ひろ子
帆波
たぶん、体の構造上、一回ちゃんと伸びないと丸まれないのだろうと思う。という事を考察されられた表現に一票!
芋虫のプニュプニュ明日が柔らかい
平井美智子
ええ一
プニュプニュした明日があってもいいかな?と思って・・・
一撃で癒されている腹の虫
光明

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